キングを安全にする


最初にキングは中央の e ファイル(ファイルは縦列のこと、横列はランクといいいます)にありますが、このままの位置にいると手順が進むにつれ、キングは攻撃を受けやすく、不利な状況に陥ります。

そのため、キングサイドまたはクイーンサイド へ キャスリングをして、より安全な場所へキングを移すことが多いです。
キャスリングすることで、ルークを活用しやすくもなります。

キャスリングをするタイミングは状況によるのですが、初心者のうちは早めにキャスリングをした方がいいでしょう。ただし、キャスリングした後、不利な状況にならないか十分注意してからキャスリングしましょう。

キャスリングについてのルールを知っておくことも重要ですので下記リンク先のページをご覧になってください。キャスリング - Wikipedia


どちらへ キャスリングするか

どちらへキャスリングした方がいいかは、各オープニング、状況によります。

参考
キングサイド へ キャスリングする方が少し安全です。

その理由は
キャスリング後、キングの前にある f, g, h のポーンをキングが守っている。
クイーンサイドのキャスリングでは、キャスリング後、キングは a ポーンを守っていないため、キングは b ファイルに動き a ポーンを守ることが多い(このために1手要する)。
キングサイド キャスリングはナイトとビショプ、2つのピースを展開させればよい。
一方、クイーンサイドでは3つのピース展開が必要で1手遅くなる。


クイーンサイド キャスリングでは、d ファイルのルークをすぐに活用させやすく、キングサイド キャスリング では、e ファイルでルークを使おうとした場合1手使わなければなりません。

オープニングによっては、クイーンサイド キャスリングが好まれるものもあります。

相手とキャスリングが反対側になった場合、相手のキャスリング側へ、ポーンによる攻めがしやすくなります。

どちらにでもキャスリングできる可能性を残し、状況を見てキャスリングする場合もあります。


不用意にキング前のポーンを動かさない

キャスリング後、キングの前にあるポーン(キングサイドなら f, g, h のポーン)を適切な理由なく動かさないようにしましょう。

それらのポーンはキングを守っている役割があるため、動かすとキングの守りが弱くなります。
それを利用して相手にキング前のポーンを動かさせて、守りを弱くさせる方法もあります。

初心者の方によくあるのが、早い段階で端のポーンをついて、相手がビショップでナイトを攻撃するのを防ぐ手がありますが、不要な手の場合が多く、相手に1手遅れをとると言っていいでしょう。


戦術等(基本よりも先の内容になります)

キャスリングする際にキングが通過するマスに相手駒の利きがあるとキャスリングできませんので、この利きを使い、相手が一時的にでもキャスリングできないようにする場合もあります(例 ビショップで、相手キングの通過マスに利きを及ぼす)。

相手キングがキャスリングする前に動くようにさせて、キャスリングさせなくするのもひとつの戦術です。キャスリングできなくなると、キングは攻撃にさらされやすくなるだけでなく、ルークを活用しづらくなる場合が多いです。

キャスリングできなくなっても不利にならない場合もあります。

もし相手がキャスリングできなくなっていたら、なるべくクイーンを交換せず残しておくのもひとつの方法です。クイーンがいないと、キングへのプレッシャーが軽減されるので、キャスリングできなくなった側は、相手のクイーンがいない方が気楽です。


用語
0-0 → キングサイド キャスリングを表す(棋譜で使われる)。キャスリング ショートとも呼ばれます。
0-0-0 → クイーンサイド キャスリング を表す。キャスリング ロングとも呼ばれます。

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