Transposition と transpose

Part 1 の最後に Transposition と transpose について知っておきましょう。

Transposition トランスポジションは、異なる手順で同じ局面になることです。

参考ページ Transposition (chess) - Wikipedia


上図は 1.d4 d5 2.c4 e6 3.Nc3 Nf6 という Queen's Gambit(クイーンズ ギャンビット)の定跡から生じる場合もあれば、1.c4 Nf6 2.Nc3 e6 3.d4 d5 の English Opening の定跡から生じる場合もあります。


transpose トランスポーズは、ある定跡から別の定跡へ移行することや
ある変化から別の変化へ移行することです。

例1
1.c4 Nf6 2.Nc3 e6 3.d4 d5 は 1.c4 の English Opening で始まりましたが
Queen's Gambit の局面に移行しました( transposed )。

例2
1.e4 e6 2.Nf3 d5 から 3.exd5 exd5 4.d4 となれば 1.e4 e6 2.d4 d5 3.exd5 exd5 4.Nf3 ( French Defence Exchange Variation ) の変化に移行。

3.e5 c5 4.c3 Nc6 5.d4 となれば 1.e4 e6 2.d4 d5 3.e5 c5 4.c3 Nc6 5.Nf3 ( French Defence Advance variation ) の変化に移行。


Transposition ( 名詞 ) と transpose ( 動詞 ) は似ていますが違いを理解しておきましょう。


不得意な定跡を避けるためや、対戦相手がよく知らない定跡へ誘い込むため、単に相手を悩ますために、意図的にトランスポジションを使うこともあります。


1.e4 に対し 1...d5 とするのを Scandinavian Defense と言います。
私は Scandinavian Defense についてほとんど知らないので、2.d4 として Blackmar-Diemer Gambit(1.e4 d5 2.d4 dxe4 3.Nc3)の形に持っていこうとします。

そうなることも多いですが、黒が Blackmar-Diemer Gambit になるのを避けて、2..e6 (1.e4 d5 2.d4 e6)とすれば French Defence に移行、2...c6 (1.e4 d5 2.d4 c6) とすれば Caro-Kann Defence になります。


※ transpose の説明箇所を修正しました ( 2016 / 1 / 17 )。
  ちなみに現在は 1.e4 d5 に対し 2.d3 とするようになりました。

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