コーレ ツーカトート システム。ポーランド生まれのマスター
Johannes Hermann Zukertort( 1842 ~ 1888年 )に由来している。
ちなみに彼は the first World Championship match で Steinitz と対戦している。
e3 ポーンにより展開が妨げられている黒マスビショップ( Bc1 )を b2 → b3 から Bb2 とフィアンケットして活用する。c2 → c3 とする Colle System とは異なる展開となり、マスターレベルでも使われる。
キングサイドアタックの狙いがあり、サクリファイスなど、黒は警戒が必要。
1.d4 d5 2.Nf3 Nf6 3.e3 e6 4.Bd3 c5
センターに影響を与える手( 4...c5 )。
d8 → a5 ラインが開く。
c7 → c5 としてから Nc6 とすることにより、テンションを保ちながら d4 に圧力をかける( Nb8 を d7 に展開する変化も有効 )。
白 d4 黒 c5 のテンション( どちらからも駒を取れる状況 )を安易に開放すると、相手に有利となることがあるので気をつけたい。
例えば、白が dxc5 とすると Bf8 が効率よく展開できたり、e5 支配が弱くなる。
白が c2 → c3 とした後に黒が c5 → c4 とすると、テンションが開放されたことにより、白はキングサイドを攻めやすくなる。
...cxd4 exd4 となると、あるタイミングで dxc5 として Bb2 の利きを開き有利を得るようなことができなくなるが、白の e5 支配を助ける。など。
5.b3
Colle-Zukertort System 。Bc1 を b2 に展開して e5 支配に影響を与えたり、黒が c5 → c4 とするのを妨げる。黒マスビショップは場合によって a3 に展開し a3 → f8 ラインで活用することも考えられる。
5.0-0 とすると 5...c4! 6.Be2 b5 で黒に好形を与えるので注意。この場合の c5 → c4 は有効。
5.c3 とする Colle System の記事は こちら( リンク )
5...Nc6
好位置へ展開。e6 → e5 の break に白は気をつけたい。
5.c3 の変化では b4 を支配していたが、5.b3 では Nc6 → Nb4 とできる。
5...Nbd7
Nc6 → Nb4 とすることはできないが、c6 にナイトがいないため Bb7 とした場合、e4 支配が増す。
6.0-0
6.Bb2 とできるが、...Qa5+ とされることを避ける 6.0-0 が良い模様。
6...Bd6
e5 を支配、白のキングサイドに攻撃しやすい位置。
6...Be7 は古典的な展開位置。5.c3 の変化でも黒の黒マスビショップを d6、e7 どちらに展開するかによって、白の指し手が変わっていた。Bd6 だと Qd8 の d8 → d1 ラインの利きをブロックするため、そのことがセンターの駒交換に影響していた。
7.Bb2
d4 ポーンに利きが及ぶため、Ne5 とするのをサポートできる。
あるタイミングで dxc5 として Bb2 の利きを開き有利を得ることがあるため黒は気をつけたい。
7...0-0
互いにキャスリングが済んだ状態。
白は Nb1 がまだ展開してないが、黒のキングサイドを攻めていくことが考えられる。
黒は Bc8 が活用されてないため、b7 → b6 から Bb7 など。白のキングサイドアタックに対応する。
8.Nbd2
黒の ...Ne4 を妨げる。c2 → c4 をサポートしたり、Nd2 → Nf3 などでキングサイドに向かうこともできる。
8...Qe7
...cxd4 の後 ...Ba3 として黒マスビショップの交換など行える。
8...b6
Bb7 とするため。dxc5 の時 ...bxc5 とすることもできる。
9.Ne5
黒の e6 → e5 を防ぐ。
d4 オープニングで 白が Ne5 とすることはよくある。フォークがかかるため 9...Nxe5 とはできない、9...Bxe5 とすればビショップペアでなくなり Nf6 も追いやられる。
ナイトを失うため 黒は 9...b6 とできない。
d1 → h5 ラインが開かれ Qd1 の利きがあるため、9...Bxe5 10.dxe5 となった時、Nf6 は g4、h5 にいけない。
9.c4 の変化もある。
9...cxd4
c5 → a3 ラインを開き ...Ba3 で黒マスビショップを交換しようとする。
白のクイーンサイドを弱くさせようとする試み。
ハーフオープンファイルとなった c ファイルを活用できる。
9...Qc7!? 10.Ndf3 cxd4 11.Nxc6 bxc6
10.exd4
10.Bxd4?? は 10...Nxe5 または 10...Bxe5 で駒損する。
このあたりからミドルゲームに入っていくように思われる。
10...Ba3
黒マスビショップの交換は白に都合が良さそうだが、e5 支配に関わっている Bb2 を消し、クイーンサイドで反撃する。
11.Bxa3
交換を避ける 11.Bc3 は c ポーンの前進を妨げ良くない。
安易に 11.Bxa3 とすべきでないが d4 ポーンが Nc6 に攻撃されていることを踏まえて。
11...Qxa3
白は d4 ポーンをどう守るべきか?
12.c3
d4 ポーンを守り ...Nb4 を防ぐ。
c3 は ハーフオープンファイル上の Backward ポーン なので注意したい。
12.Nxc6 bxc6 となるのは c ファイルがハーフオープンでなくなるが Ne5 を保つ方が良い模様。
12...Nxe5
キングサイドの攻撃に関わる Ne5 を消しておく。
13.dxe5 で Nf6 が追いやられるため、白のキングサイドアタックに注意しつつ。
12...Bd7 13.f4 Rfc8 14.g4!?
13.dxe5
白はハーフオープンファイル上にある c3 ポーン をどうするか?
13...Nd7
e5 ポーンを攻撃しているためテンポを得られる。
白はキングサイド、黒はクイーンサイドで攻撃が考えられるが、マイナーピースが減っているため、攻撃しづらくなっている。
駒損して不利を招かぬよう防御が大事になってくる。
14.Re1!?
e5 ポーンを守り、Re1 → Re3 としてキングサイドの攻撃へ回すことも考えられる。
14.Qh5 h6! 15.Nf3 Nc5 16.Bc2 b6
14.f4?! Qc5+ 15.Kh1 Qxc3
14...Nc5
クイーンサイドで反撃を試みるが 15.Bc2 Bd7 16.Re3 で白が良い感じ。
白は Re3 を h3 に回してキングサイド攻撃など。
黒は 16...g6 で対抗。
互いのナイトがなくなれば Bad Bishop の黒が不利になりそうで、白のビショップと黒のナイトの交換となっても、Bad Bishop の残る黒が不利となりそう。
いずれにせよ、1つのミスで勝敗は簡単に変わるので油断はできない。
14...Qc5 14...b6 14...a5!? 14...Qb2
などの変化もある。
参考文献
starting out: d-pawan attacks - Richard PalliserColle-Zukertort System - GM Susan Polgar
Johannes Zukertort - Wikipedia
コメント
https://www.chess.com/article/view/quick-start-guide-to-the-colle-zukertort-an-opening-for-players-of-any-strength